測量

光波【トータルステーション】で水準測量「光波で高さを計算しよう」

土木施工管理歴30年のまさあき(@pooloyolo)です。

今回のブログでは、「トータルステーション(T.S)」と「ターゲット(プリズム)」を使った「水準測量」についてお話しします。

トータルステーション(TS)とは、距離を測る光波測距儀と、角度を測るセオドライトを組み合わせたもので、水平距離、高低差、斜距離、水平角度、鉛直角を表示することができます。

それでは、「トータルステーション(TS)」を使い、オートレベルと同じ計算方法の「器高式」で標高(地盤高)を算出してみましょう。

TSで測定結果が表示される「斜距離」「水平距離」「高低差」のうち「高低差」を使って計算します。

器械より高い位置の値は「ー(マイナス)」、低い位置の値は「+(プラス)」として計算する

レベルを使った測量と同じ器高式で計算するには、トータルステーションより高い位置の値を「-」、低い位置の値を「+」として計算します。

通常の水準測量の場合、レベルでスタッフの目盛を読むと、測定するポイントは必ずレベルの器械より低い位置にある状態です。

ターゲットがトータルステーションより低い位置の場合は、通常のレベルと同じ器高式の計算ができるので「+」となります。

しかし、トータルステーションは器械より「高い位置」のポイントも測定できます。

この場合はスタッフを「逆さま」にしている状態と同じですので、「ー」をつけて器高式で計算します。

つまり、トータルステーションに表示される数値の符号を【「+」⇔「ー」】逆にする必要があります。

例として断面図を用意しました。

図のように、左側の測点をBM(ベンチマーク)として、右側の測点を測量し、標高を求めます。

上の図では、トータルステーションより「2.542m」上に測点があるので、IH(器械高)から-2.542mを引き算することになります。

下の表では、レベルと同じ「器高式」の計算方法で地盤高を求めました。

測定した数値の符号を逆にします。「+」⇔「ー」

測点B.S(バックサイト)I.H(器械高)F.S(フォアサイト)G.H
BM(ベンチマーク)+3.416103.416 100.000
測りたい測点(No,1)  -2.542105.958

BM(ベンチマーク)=100.000mとしています。

IH=100.000+(+3.416)=103.416m

№1=103.416ー(-2.542)=105.958m

となります。

実際の器械高は、「IH+ターゲット高」となります。

ターゲットの「高さ」を変えない

トータルステーションで正確な水準測量を行うには、ターゲット(プリズム)の高さを変えないことが条件となります。

ターゲット(プリズム)の高さを変えない

BM(ベンチマーク)にターゲットを置いてB.S(バックサイト)を測定した状態のまま、全てのF.S(フォアサイト)を測量します。

ターゲットの高さは相殺される

標高の計算において、ターゲットの高さを変えなければターゲット高は「相殺」されます。

ターゲットの高さ(0.300m)を考慮した計算をしてみます。
先ほどの横断図の数値からターゲットの高さを引いてみましょう。
BS=ー3.416ー0.300)=ー3.716
FS=+2.542ー0.300)=+2.242

測定した数値の符号を逆にします。「+」⇔「ー」

測点B.S(バックサイト)I.H(器械高)F.S(フォアサイト)G.H
BM(ベンチマーク)+3.716103.716 100.000
測りたい測点(No,1)  -2.242105.958

IH=100.000+(+3.716)=103.716
測りたい測点(№1)=103.716-(-2.242)=105.958

このようにターゲットの高さを考慮しても、考慮しなくても先ほど計算した数値と同じ結果(地盤高)になります。

分かりやすいように上の図で説明すると、平行にターゲットの高さ分だけ下がるだけで、高低差は変わりません。

つまり、ターゲットの高さは考えなくてよいという事がわかります。

ターゲットの高さを「B.S」は300㎜、「F.S」は500㎜と変えて測定する場合、正確に300㎜や500㎜にターゲットを合わせることが難しいのです。
もしかしたら302㎜になっていたり、499㎜になっているのかがわからないので、正確な高低差を測量する場合は、必ずターゲットの高さを変えずに測りましょう。

例えば

例として下のような断面図を用意しましたので、計算してみましょう。

トータルステーションで高低差を測定した数値は以下の通りです。

  1. ベンチマーク(BM)=100.000m、バックサイト(B.S)=+2.400m
  2. 測定1=+4.648m
  3. 測定2=+3.742m
  4. 測定3=+3.455m
  5. 測定4=-8.341m
  6. 測定5=-11.409m
  7. 測定6=-12.272m
  8. 測定7=-14.574m

測定した数値の符号を逆にします。「+」⇔「ー」

測点 B.S(バックサイト) I.H(器械高) F.S(フォアサイト) G.H
BM-2.40097.600100.000
測定1-4.648102.248
測定2-3.742101.342
測定3-3.455101.055
測定4+8.34189.259
測定5+11.40986.191
測定6+12.27285.328
測定7+14.57483.026

IH=100.000+(-2.400)=97.600
測定1=97.600-(-4.648)=102.248
測定2=97.600-(-3.742)=101.342
測定3=97.600-(-3.455)=101.055
測定4=97.600-(+8.341)=89.259
測定5=97.600-(+11.409)=86.191
測定6=97.600-(+12.272)=85.328
測定7=97.600-(+14.574)=83.026

おわりに

今回のブログでは、トータルステーション(TS)をつかった水準測量の方法をお話ししました。

この測量のポイントとして、

  1. トータルステーションより高い位置の値を「-」、低い位置の値を「+」として通常通り器高式で計算する。
  2. ターゲットの高さを変えないこと。
  3. ターゲットの高さを変えないことによってターゲット高は相殺される。

以上になります。

皆様のスキルアップに役立てていただけたら幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。

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まさあき
「まさあき」といいます。 土木施工管理歴30年。元ゼネコン社員。現在は地場の建設会社に勤務しております。1級土木、2級管工事、2級舗装、測量士、砕石業務管理者を保有しております。このブログは、工事現場に関する「施工管理」・「測量」そして現場で使用する「パソコン」について発信しています。 私の土木技術者として知識が皆様のスキルアップにつながるとうれしいです。