【側溝丁張】の掛け方を分かりやすく解説します!
このブログでは「水路・側溝」の【丁張】の掛け方についてお話しします。
例として300×300落蓋式U型側溝を下の計画平面図・断面図のように施工するための丁張を掛けてみましょう。
側溝位置座標と側溝天端計画高を事前に計算
側溝位置の座標をトラバース点から角度と水平距離で測量できるようにしておきます。
側溝天端計画高も予め計算して表にまとめておきましょう。
Excelなどを使って、1mピッチで計画高を表にしておくと、現地で計算しなくても良いのでおススメです。
現地で勾配の計算するとミスする可能性が増えますので、事前に計算できるものはやっておきます。
側溝位置(ポイント)の測量
最初に、側溝位置となる「側溝方向」や「折れ点」を逆トラバース測量で杭やピンを設置します。
側溝位置は施工する際に「水糸」を張れるように「外面」にします。
側溝外面の「折れ点」とそれぞれの「方向杭」の3点を設置します。
側溝を跨ぐ位置に丁張杭を設置(@10m)
丁張は側溝を跨ぐ様な「門型」の丁張を掛けます。
丁張の間隔が10m以内になるように、丁張杭を打っていきましょう。
10m以上離れてしまうと、側溝を施工する際に使用する水糸の「たるみ」が大きくなってしまいます。
側溝をまたぐような位置に杭を2本打ち込みます。
2本の杭は、床掘の際に動かない位置にします。
丁張は下の図のように丁張①~丁張⑦までの位置に掛けます。
側溝の「折れ点」は水糸で折れ点の位置と高さが分かるように「丁張④」と「丁張⑤」を設置します。
丁張①~丁張③の勾配で丁張④を設置します。同じく丁張⑥~⑦の勾配で丁張⑤を設置します。
スペースがない場合は床掘が終わった所に側溝から200~300㎜ほど離して水糸が張れるように丁張を掛けます。
丁張杭の天端を水準測量
打ち込んだ杭の天端に「釘」を打って、釘の天端を「水準測量」をします。
水準測量は、片方の杭だけを測り、水平器を使って丁張板を水平に取付ける方法が一般的かもしれませんが、私は両方の杭を測り、丁張板を設置するようにしています。
両方の杭を水準測量することによって「間違い」を見つけることができます。
杭天端高と側溝天端計画高との差を計算し、杭の横に印(釘)をする。
杭の天端を水準測量した結果と、事前に計算していた側溝天端計画高との差を計算します。そして、計算した「差」を杭の横に印をして「釘」を半分程度打ち込みます。
側溝天端高の釘に丁張板を乗せて水平に打付ける
杭の横に打込んだ「釘」に丁張板(ざら板・半貫)を載せます。
載せたら「水平器」で確認します。水平でなければ測量が間違っていることになるのでもう一度確認します。
水平であれば、丁張板を釘で杭に打ち付けます。
丁張板は釘を全て打込まないように打付けます。
床掘や側溝設置の際、釘抜で板を外すことがあるので、図のように釘抜が入る程度残します。
丁張を設置した後は「目」で丁張を見通して重なって見えるかを確認します。
重なって見えない場合は測量が間違っている可能性があります。
側溝などの丁張は「3~5mm」ほど計画高より上げて掛けることをおススメします。
設置した側溝は「下がる」ことはあっても「上がる」ことはありません。
完成検査まで数ミリの沈下を考慮して、丁張を掛けます。
側溝の位置(法線)を丁張板に印をする
丁張の水平板を設置したら、側溝の位置「法線(通り)」を丁張板に印をします。
下の図のように最初に逆トラバース測量で設置した杭にトランシットを据え付けて「法線」を見ます。
トランシットで側溝位置杭Aを視準して、丁張①~④に側溝の位置を印します。
次に側溝位置杭Bを視準して、丁張⑤~⑦に側溝の位置を印します。
丁張板に計画高、測点、側溝の位置、下端▽の記入
丁張板に側溝位置の印をしたら、測点・計画高・側溝位置の略図(この印は側溝のどの部分なのかが分かる略図)・丁張板の下端が側溝天端だという「▽」を記入して丁張設置完了です。
おわりに
このブログでは「側溝丁張の掛け方」についてお話ししました。
- 側溝位置座標と側溝天端計画高を事前に計算
- 側溝位置(法線)の測量(逆トラで幅杭・用地)
- 側溝を跨ぐ位置に測量杭を2本設置(@10m)
- 杭の天端を水準測量
- 杭天端高と側溝天端計画高との差を計算し、杭の横に印(釘)をする。
- 側溝天端高の釘に丁張板(ざら板)を乗せて水平に打付ける。
- 側溝の位置(法線)を丁張板に印をする。
- 丁張板に計画高、測点、側溝の位置、下端の記入して完了
以上となります。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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