後方交会法2点3点計算アプリ【スマホ・PC対応】
測量現場で「器械点の座標を求めたい」と思ったときに役立つのが後方交会法です。
しかし、実際に計算しようとすると…
- 式が複雑で手計算は大変
- スマートフォンで手軽に計算したい
- 現場で素早く確認できない
こんな課題を感じたことはありませんか?
そこで今回、スマホやPCからそのまま使える「後方交会法・2点3点計算アプリ」を作成しました。
インストール不要、完全無料。ブラウザで開くだけで、現場ですぐに計算できます。
公開URLアプリの入手はここから
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アプリの概要
このアプリは、後方交会法によって器械点(P)の座標を計算し、さらに杭打ち計算まで行えるWebアプリです。



主な機能
- 2点モード(距離あり・円交点)
- 2点からの距離で円の交点を計算
- ∠APBを入力すれば正しい解を自動判別
- 「別解候補」ボタンで交点が2つ出た場合に切り替え可能
- エラー時は AB・PA+PB・|PA−PB| を自動表示 → 原因と調整の目安がわかる
- 3点モード(角のみ:Tienstra法)
- 3点A,B,Cと角度(γ=∠APB、α=∠BPC、β=∠CPA)を入力
- 器械点Pの座標を算出
- 内角チェックや角度の合計確認も可能
- 杭打ちモード
- 器械点からターゲット点Tまでの 水平距離 と 角度(方位角・右回り角) を計算
- 基準視準をA,B,Cのいずれかから選択可能
- 現場での位置出し作業がスムーズに
- 入力ヘルパー機能
- X,Y座標を「12345.678, 98765.432」とコピペするだけで自動入力
- 入力した数値はプレビュー表示されるので、桁数の多い平面直角座標でも安心
- 略図・用語解説つき
- 2点モード・3点モード・杭打ち、それぞれに簡易図を表示
- 初心者でも座標と角度の関係がイメージしやすい
2点モード(距離あり・円交点)

「2点モード(距離あり・円交点)」は、器械点から2つの既知点までの距離を使って器械点を求める方法です。

アプリでは交点の候補切替やエラーガイドまでサポートしてくれます。

座標を入力
画面上部で「2点(距離あり:円交点)」を選びます。
- 既知点 A, B の座標(X=北, Y=東)を入力します。
- テキストファイルからコピーした座標を「,(カンマ)」区切りで貼り付ければ自動で分割入力されます。
入力ヘルパー(数値プレビュー& X,Yの同時貼付)
このアプリでは、入力ヘルパー機能に「X座標(北)とY座標(東)をまとめて一度に貼り付けできる」仕組みを入れてあります。
測量データやCSVなどからコピーするとき、多くはスペースやカンマで区切られている形式ですよね。
12345.678 , 98765.432
この値をそのままAXの入力欄にペーストします。
自動で「12345.678」をAXに、「98765.432」をAYに振り分けます。
AY欄にカーソルを移動してペーストし直す必要がありません。
距離や角度を入力
PA、PB(器械点からA,Bまでの水平距離)を入力します。
この状態で「計算する」をクリックしても器械点Pの座標を計算できますが、2つの答えになります。そこで ∠APB を入力すると、2つの候補から正しい交点を自動で判別します。

「計算する」を押す
- 器械点Pの座標が即座に表示されます。
→ 入力した座標と距離をもとに、自動で計算します。 - 計算の仕組み:円の交点
→ AとBを中心に、半径PA・PBの円を描くと、その交点が器械点Pとなります。 - 交点は2つある場合があります。
→ どちらが正しい器械点かを判定する必要があります。 - ∠APBを入力した場合
→ 2つの候補から自動で正しい交点を判別します。 - 角度チェックも可能
→ 計算上の角度と、実際に観測した角度の差を表示するので、観測値との整合性を確認できます。


エラーが出る場合
- AB が PA+PB より大きい → 器械点が届かない(2円が離れている)
- AB が |PA−PB| より小さい → 一方の円が他方を内包して交点ができない
- A と B が同一点 → 計算不能
アプリでは、AB, PA+PB, |PA−PB| の値と原因・調整目安 を表示するので、「なぜ計算できないか」が一目でわかります。

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3点モード(角のみ:Tienstra法)

「3点モード(角のみ:Tienstra法)」は、既知点が3つ(A,B,C)あり、それらの角度を観測して器械点Pの座標を求める方法です。


Tienstra(ティエンストラ)式は、後方交会法の代表的な計算式のひとつで、「角度3つと座標3つがあれば器械点Pを求められる」というシンプルな方法です。
計算式は少し複雑ですが、アプリが自動で処理してくれます。
手計算や電卓でやると大変なものを、ワンクリックで算出できるのが大きなメリットです。
座標や角度を入力
A,B,Cの 座標(X=北, Y=東) を入力します。
γ=∠APB, α=∠BPC, β=∠CPA を「度・分・秒(DMS)」で入力します。

「計算する」を押す
「計算する」を押すと、器械点Pの 座標X,Y が表示されます。
さらにアプリは 三角形ABCの内角チェック も行い、観測角度の合計(α+β+γ)が360°(0°)に近いかどうか確認できます。

エラー例
- α+β+γ の合計が360°にならない
- 角度の割当て誤り(γ,α,βを間違える)
- A,B,Cが一直線に近い → 数値が不安定
2点モードと3点モードの違い
このアプリ【後方交会法】には「2点モード(距離あり・円交点)」と「3点モード(角のみ:Tienstra法)」があるので、どちらを使えばいいのか分かりやすいように、比較表にまとめました。
項目 | 2点モード(距離あり:円交点) | 3点モード(角のみ:Tienstra法) |
---|---|---|
必要な既知点 | 2点(A・B) | 3点(A・B・C) |
観測データ | PA・PB(P→A, P→Bの水平距離)+任意で ∠APB | 角度:γ=∠APB、α=∠BPC、β=∠CPA(DMS) |
計算の原理 | PA・PB を半径とする 2円の交点を求める | Tienstra式(角度の三角比による演算) |
結果 | P の座標(X,Y)※交点が2つ出る場合あり | P の座標(X,Y)※解は一意 |
エラー例 |
・AB > PA+PB(円が離れて交わらない) ・AB < |PA−PB|(一方が他方を内包) ・AB ≒ PA+PB または AB ≒ |PA−PB|(接して不安定) ・A と B が同一点/極端に近接 ・PA・PB が水平距離でない等の入力ミス |
・観測角の合計 α+β+γ ≠ 360° ・角の割当て誤り(γ=∠APB, α=∠BPC, β=∠CPA の取り違え) ・A, B, C がほぼ一直線(△ABC が極小)で数値不安定 ・DMSの桁ズレ/度分秒入力ミス |
アプリのサポート | 「別解候補」で交点切替/エラー原因と調整目安を自動表示 | △ABC 内角チェック/α+β+γ の合計確認 |
利用シーン | 既知点が2つあり距離測定が容易 | 既知点が3つ見えて角度観測が主体 |
杭打ち計算
「杭打ちモード」は、器械点(P)の座標が求まったあとに、現地で新しい点を設置するための機能です。
具体的には、器械点Pからターゲット点Tまでの
- 水平距離(m)
- 角度(方位角・右回り角)
を計算します。
これにより、現場で正確にターゲット点を杭打ちできます。

アプリでの操作手順
- ターゲット点Tの座標を入力
設置したい点TのX(北)、Y(東)を入力します。
器械点の座標は、2点モード or 3点モードで計算した結果を、自動的に入力欄に反映されます。 - 基準視準を選択
A・B・Cのいずれかを基準点として指定できます。
選ぶと、その基準点の座標が自動で入力されます。
このとき「基準方向に対して右回りに何度か」でターゲット点Tを導けます。

「杭打ち計算」ボタンを押す

- 水平距離(P→T)
- 方位角(P→T、北を0°とした絶対角度)
- 右回り角(基準点を設定した場合のみ)が表示されます
用語解説
- 方位角:北(X軸正方向)を0°として、時計回りに0〜360°で表す角度
- 右回り角:基準視準の方向から、時計回りにターゲット点Tまで回した角度
- 水平距離:器械点Pとターゲット点Tの平面距離(斜距離ではなく、XY平面での距離)
- 基準視準:器械点Pから既知点(A,B,C)のいずれかを見た方向を基準にすること


まとめ
この「後方交会法・2点3点計算アプリ」は、
- 無料・インストール不要
- スマホでもPCでも利用可能
- 初心者でも安心の略図・用語解説つき
という特長を備えています。
ぜひ現場で試してみてください。
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