このブログでは、測量で使用する「座標」についてわかりやすくお話しします。
座標は小中学校で学習した「X、Y」で表す数値でしたね。
基本的な考え方は同じです。
座標
座標とは、「点(ポイント)」の位置を指定するための数値で、地球上のどの位置なのかを数値で表しています。
この座標の数値は測量、地図作成、土地の管理、大規模土木工事などの基準となります。
小規模工事の場合、現場独自の座標を組む場合もあります。
Xが縦、Yが横
小中学校で習った座標のグラフというと、「Y」が縦軸で「X」が横軸でした。
測量では下の図のように「X」が縦軸で「Y」が横軸となり逆になります。

角度の測り方も逆
小中学校で使った「分度器」は右側が0°で時計と反対周りに角度が増えていきます。
測量では下の図のように、時計回り(右回り)に角度が増えていきます。

例として座標と座標の距離を計算してみよう
例として座標計算の基本的な考え方を図を使ってお話しします。
下の図は、2つの点(ポイント)を座標で表したものです。

左下の点の座標が(X,Y)=(62.879,36.903)
つまり、縦軸方向に62.879m進み、横軸方向に36.903m進んだポイントです。
右上の点の座標が(X,Y)=(129.153,197.588)
縦軸方向に129.153m進み、横軸方向に197.588m進んだポイントです。
この2つの座標の間の距離を計算してみましょう。

最初に「X」座標の差を計算します。
2つの点のXとXを引き算します。
$$129.153-62.879=66.274m$$
次に「Y」座標の差を計算します。
Xと同じようにYとYを引き算します。
$$197.588-36.903=160.685m$$
この直角三角形の斜辺を三平方の定理で計算すると「座標間の距離」を求めることができます。
$$a^2=x^2+y^2$$
$$a=\sqrt{66.274^2+160.685^2}$$
$$a=173.816$$
したがって、座標間の距離は「173.816m」となります。

実際の座標
座標データのやり取りは「SIMAデータ」で行うことがほとんどです。
CSVファイルの場合もあります。
現場を設計測量した設計会社さんからSIMAデータをいただくとこのような数値になっています。

これは「HO_CAD pao」でSIMAデータを読み込んだものになります。

SIMA(シーマ)データーとは
測量の座標値を管理する目的で日本測量機器工業会が策定しているフォーマットです。
SIMAデーターはテキストファイルです。
拡張子は.sim。

終わりに
このブログでは「座標」についてわかりやすく解説しました。
- 座標とは、「点(ポイント)」の位置を指定するための数値で、地球上のどの位置なのかを数値で表しています。
- X軸が縦でY軸が横となり、小中学校で学習したものと逆になっています。
- 角度の測り方も逆です。
- 座標間の距離を計算するには、X座標同士の差とY座標同士の差を「三平方の定理」で求めます。
- 座標は「SIMAデーター」として取り扱われています。
以上、最後まで読んでいただきありがとうございました。
皆様のスキルアップにつながれば幸いです。