【現場密度試験】の計算方法を分かりやすく解説(様式JGS 1611ダウンロード付)
現場密度試験【突き砂法】の計算方法についてお話しします。
様式「JGS 1611」を使い、実際に数値を入力して1つ1つ解説いたします。
こちらの様式は「試験用砂の密度」と「含水比」を測定して記入するのに便利な形になっています。
試験方法についてはこちらのブログを参考にしてください。
様式「JGS 1611」
例として路床盛土を施工した場合を想定しました。
様式のダウンロードはこちらから↓↓↓↓
事前準備
試験用砂の密度較正(珪砂の密度測定)
m2「較正容器と砂の質量」:キャリブレーション容器に試験用砂(珪砂)を入れた状態の重さです。実際に計った重さが「5661」となったので記入します。
m1「較正容器の質量」:キャリブレーション容器の重さです。実際に計った重さ「1482」と記入します。
V「較正容器の容量」:今回使用するキャリブレーション容器の体積は、直径15㎝、深さ15㎝なので計算すると「2650㎤」となります。
pds「乾燥密度」=(m2-m1)/V=5661-1482÷2650=1.577
珪砂の重さを体積で割ります。
試験用砂(珪砂)の密度の決定
この測定を3回以上行い平均して、pds乾燥密度=「1.576」として使用します。
容器の重量・試験用砂+容器の重量・ベースプレート部の重量
「容器重量」として、使用するビニール袋の重さです。実際に計った重さが「14g」だったので記入します。
m4「(試験用砂+容器)質量」試験孔に入れる珪砂とビニール袋を一緒に計ります。今回は計算しやすいように「5000」と記入します。
mp「ベースプレート部の砂の質量」を算出して「278」と記入します。
下の図の赤い部分となります。
ベースプレートの大きさが15㎝、厚さ1㎝なので(15^2×π÷4)×1㎝×密度1.576=278となります。
最大乾燥密度と最適含水比の確認
「最大乾燥密度」を盛土材の試験成績表から「1.836」と下の欄に記入します。
「最適含水比」を盛土材の試験成績表から「12.9」と下の欄に記入します。
以上で、事前準備は完了です。
現場試験
次は実際に現場で試験を行い、記入しながら計算をします。
最初に試験箇所にベースプレートを置き、試験孔を掘ります。
試験孔から掘り出した試料をビニール袋に入れて重さを計ります。
試験孔の体積・湿潤密度
「(試験孔から取り出した土+容器)質量」「3625」を記入して、m3を計算します。
m3「試験孔から取り出した土の湿潤土質量」=3625ー14=3611 となります。
ベースプレートに上枠を設置して、試験孔に試験用砂を入れます。
突き棒で所定の回数を突き、余分な砂を戻します。
m5「(残った試験用砂+容器)質量」を計り、「1921」と記入します。
「試験孔の体積」を計算します。
V0「試験孔の体積」=(m4ーm5ーmp)/Pds=(5000ー1921ー278)÷1.576=1777
「湿潤密度」を計算します。
Pt「湿潤密度」=m3/V0=3611÷1777=2.032 となります。
推定含水比から推定締固め度
推定含水比から推定締固め度を出してみましょう。
現地でおおよその結果が出せるので、段階確認や立会検査でとても有効です。
例えば推定含水比を12.0%として乾燥土重量と乾燥密度を逆算します。
「乾燥土重量」={m3÷(12.0+100)}×100
=(3611÷112)×100=3224
「乾燥密度」=3224÷1777=1.814
したがって推定締固め度は
推定締固め度=(1.814÷1.836)×100=98.8%
となります。
含水比試験を行い締固め度を求める
試験孔から掘り出した試料は、持ち帰り「含水比試験」をします。
含水比試験から「含水比」を求めて、「締固め度」を算出します。
含水比試験
含水比試験には「炉乾燥法」と「電子レンジ法」そして「フライパン法」の方法があります。
1つの「試験孔から取り出した土」から2つの試料を試験して平均値を求めます。
ma「湿潤土+容器」の質量です。
mb「乾燥土+容器」の質量です。
mc「容器」の質量です。
w「含水比」=(ma-mb)/(mb-mc)
容器№2を例に計算をしてみましょう。
ma=1930.39
mb=1769.14
mc=269.51
w「含水比」=(1930.39-1769.14)÷(1769.14-269.51)=10.75
容器№1~6までの数値を平均して含水比を「11.4%」と確定します。
締固め度
締固め度は「乾燥密度」と盛土材の試験成績表の「最大乾燥密度」の割合です。
乾燥密度Pdを試験孔№①を例にして計算しましょう。
Pd=Pt/(1+w/100)=2.032÷(1+11.4÷100)=1.824
となります。
最後に「締固め度」を求めます
Dc=100×(Pd/最大乾燥密度)=100×(1.824÷1.836)=99.3%
締固め度は「99.3%」となります。
おわりに
現場密度試験【突砂法】の計算方法を、具体的な数値を例にして解説しました。
現場に行く前の準備
- 試験用砂の密度の測定
- 容器(ビニール袋)の重さの測定
- 試験孔に入れる試験用砂+容器(ビニール袋)の重さの測定
- ベースプレート部の砂の重さを計算
- 盛土材の最大乾燥密度・最適含水比の確認
現場での試験
- 試験孔を掘削し、試験孔から掘り出した土の重さの測定
- 残った試験用砂の重さを測定
- 試験孔の体積を算出
- 湿潤密度の算出
- 推定含水比で計算して、推定締固め度を算出
- 試料を持ち帰り含水比試験を行う
- 乾燥密度の算出
- 締固め度の算出と報告書作成
以上となります。
今回のブログが皆様のお役に立てたら嬉しいです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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