レベルとスタッフで「距離」を測ることができる【スタジア測量】|測定方法と計算方法
水準測量で使用する「レベル」を覗いたときに「上下に横線があるんだけど何に使うのかな?」と疑問に思ったことはないでしょうか。
このブログでは、その上下にある線を使い「スタッフ」を読むことで【距離】を測定する方法を解説します。
スタジア測量とは
レベルをのぞくと上と下に短い横線があります。
この線をスタジア線といいます。
スタッフを読むときに、上スタジアと下スタジアの値をミリ単位で読んで距離を求めます。
この測量をスタジア測量といいます。
高い精度は望めませんが、巻き尺(テープ)を使わなくても、直角三角形の相似の原理を使って距離を計測することができます。
ちなみに、トランシットや平板測量で使用するアリダードでも同じ方法で距離を測れます。
距離(L)の測定方法
スタジア測量の公式です。
$$L=HK+C$$
L:レベルからスタッフまでの距離
H:上スタジア線と下スタジア線の読みの差
K:スタジア乗定数
C:スタジア加定数
スタジア乗定数とスタジア加定数を合わせてスタジア定数と呼びます。
現在の内部視準式望遠鏡のレベルのほとんどは
K=100
C=0
と製造されています。
実際に計算してみよう
スタジア線の読みの差を求めて、距離(L)を求めてみましょう。
- 上スタジア線の読み=1.632m
- 下スタジア線の読み=1.338m
- K=100
- C=0
最初の上スタジア線と下スタジア線の差(H)を求めます。
$$H=1.632-1.338=0.294m$$
続いて公式に当てはめます。
$$L=HK+C=0.294×100+0=29.4m$$
したがって、距離(L)は29.4mとなります。
次に下のスタッフの写真を使って計算してみましょう。
- 上スタジアが0.417m
- 下スタジアが0.366m
H=0.417-0.366=0.051
L=HK+C
=0.051×100+0=5.1m
レベルからスタッフまでの距離
はL=5.1mとなります。
最後に
このブログでは、レベルを使って距離を求める「スタジア測量」について説明しました。
焦点板の上下にあるスタジア線を使って距離を測定する方法です。
公式はL=HK+Cとなり、上下のスタジア線の読みの差に100を掛算して求めます。
高い精度は望めませんが、直接距離を測量する必要がありません。
最近の現場ではほとんど使わない測量ですが、このような測量方法があるということが頭の片隅にあるだけでも測量というものが少し違って見えてきます。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
にほんブログ村 |
にほんブログ村 |
にほんブログ村 |