TS水準測量(器高式)を自動計算できるWebアプリ Ver1.0 公開
1. はじめに
水準測量の計算において、従来は手計算やエクセルを用いることが一般的でした。しかし現場では、限られた時間の中で正確かつ迅速に結果を確認する必要があります。
そこで今回、トータルステーション(T.S)の高低差表示を入力するだけで器高式による計算が可能なアプリ(Ver1.0) を作成・公開しました。
もちろん無料でご利用いただけます。。
スマートフォンやタブレットからも利用でき、現場での効率化に寄与します。
👉 アプリはこちらから利用できます:
TS水準測量(器高式)計算アプリ Ver1.0
2. アプリの概要
本アプリは、TSの表示値(ΔH)を入力すると、器械高(I.H)および各測点の標高(GH)を自動計算するものです。
主な特徴は以下の通りです。
- ターゲット高(プリズム高)が一定であることを前提
- 器高式(H.I. method)に準拠した計算
- ターニングポイント(T.P.)に対応
- CSV出力機能(Excel等での整理が容易)
- PWA対応(ホーム画面に追加し、オフライン利用が可能)
- スマートフォン最適化(横スクロールにより全入力欄を確認可能)
PC画面

スマートフォン画面


3. 使用手順


(1) ベンチマーク標高の入力
まず基準点(BM)の標高を入力します。例:100.000

(2) 測点ごとの ΔH 入力
トータルステーションに表示される高低差をそのまま入力します。
- 1行目は必ず B.S(バックサイト) を設定してください。
- 以降は F.S(フォアサイト) として各測点を入力します。
- ターゲット高(プリズム高)を変えずに測量してください。
- 途中でT.P.がある場合は、再度B.Sを追加することで計算を継続できます。


(3) 測点名・メモ入力
Point/Note欄に測点名や備考を入力可能です。(例:№1、P-1
、TP1
など)

(4) 計算の実行
「計算する」ボタンを押すと、I.Hおよび各測点のGHが自動で表示されます。

計算結果のGH(m)です。

スマートフォンの画面です。
入力画面は横スクロールでPoint/Note欄まで確認できます。


(5) 出力・共有
- CSV出力:計算結果をCSV形式で保存でき、Excelでの整理・加工が容易です。
- 共有リンク:入力済みデータを他端末と共有可能です。

CSVデータをExcelで開くと下のようになります。

4. 利用上の留意点
- 本アプリは ターゲット高(プリズム高)が一定であること を前提としています。
- 入力されたΔHは、器高式計算に適合するよう自動で符号反転処理されます。
- 測量結果の利用にあたっては、必ず現場条件に照らし合わせ、誤差の有無を確認してください。
5. まとめ
本アプリを用いることで、現場での水準測量計算を即座に実行でき、作業効率の向上が期待できます。
特に、若手技術者が器高式の計算過程を理解しながら実務に活用できる点で有効です。
今後も現場のニーズに応じて改良を進めていきますので、ぜひ日々の業務にご活用ください。
👉 アプリはこちらから利用できます:
TS水準測量(器高式)計算アプリ Ver1.0

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