【熱中症対策】建設現場の取組みをお話しします
このブログでは、私が担当している現場の「熱中症対策」についてお話しします。
今回紹介する現場は、請負金額2500万円の公共工事(土木)です。
建設現場の中では小規模の部類に入る工事なので、予算と相談しながらできる限りのことを行いました。
皆様の現場管理にお役に立てれば幸いです。
熱中症
熱中症の初期症状(目まい・異常な体温上昇など)を放置していると、脱水症状となり、意識の混濁や異常な発言、全身の痙攣、嚥下(えんげ)障害へと症状が悪化していきます。さらに昏睡状態から多臓器不全を起こすと、最悪の場合は死に至ることもあります。
現場での取り組み
建設現場ではおなじみの物もありますが紹介します。
日陰用テント
作業している場所の近くに日影を作る目的でテントを設置しました。
にわか雨の時に雨宿りできます。
このテントは、組み立てる必要がなく、広げたり縮めたりするだけで簡単に設置撤去が可能です。
少し重いので2人で休憩しやすい場所へ移動します。
作業終了時に収納して片付けます。
ウォーターサーバーでいつでも冷たい水を
小まめな水分補給ができるようにウォーターサーバー(リース品)を設置しました。
一緒に「塩飴」も置いて塩分補給ができるようにしています。
お湯も出るので、お昼休憩のカップラーメンなどにも使えて作業員から高評価です。
休憩所のエアコン設置
これは常識になっていると思いますが、休憩所にエアコンを設置しています。
休憩所設置場所が200V の電力が確保できない場所なので、発電機を置いて電力を確保しています。
電池式ファン付きベストの着用
わき腹に2つのファンが付いていて、風が中に取り込まれて、首元から抜けていきます。
以外に涼しく、一度使うとやめられなくなります。
充電式のバッテリーでファンが動きます。朝から使うと昼まで持ちます。昼休み中充電します。
WBGT暑さ指数測定
暑さ指数(WBGT)測定器を設置して熱中症予防の基準としています。
マグネットプレートで作られている「注意・警戒・厳重警戒・作業は中止」を看板に貼り付けできます。
携帯用のWBGT測定器もあります。
現場内でも場所によって暑さが異なるので用意しました。
熱中症対策応急キット
万が一、熱中症になってしまったときに使用します。
小さなバックの中に6種類のアイテムが詰まっています。
- 安心保存水5年(飲料として水分補給したり、体にかけて気化熱で冷却します)
- 口径補水レスキューパウダー(安心保存水に溶かして飲みます)
- 叩けば冷える瞬間冷却剤(衝撃を与えると冷えるので首やわきの下を冷やします)
- 扇子(体を扇いで気化熱を促進します)
- カード式体温計ミニチェック(体温計。繰り返し使用可能)
- 圧縮タオル(水を体にかける際に併用すると水分を保ちます)
暑さ指数(WBGT)について
WBGT(湿球黒球温度)は、熱中症を予防することを目的とした指標です。
単位は気温と同じ摂氏(℃)で示されますが、その値は気温とは異なります。
暑さ指数は人体と外気との熱のやり取りに着目した指標で、人体の熱収支に与える影響の大きい①湿度、②日射・輻射など周辺の熱環境、③気温の3つを取り入れた指標です。
暑さ指数(WBGT)の計算式
WBGT(℃)=0.7×湿球温度+0.2×黒球温度+0.1×乾球温度
- 湿球温度は、水で湿らせたガーゼを温度計の球部にまいて観測します。温度計の表面にある水分が蒸発した時の冷却熱と平衡した時の温度で、空気が乾いた時ほど、気温(乾球温度)との差が大きくなり、皮膚の汗が蒸発する時に感じる涼しさ度合いを表すものです。
- 黒球温度は、黒色に塗装された薄い銅板の球(中は空洞、直径約15㎝)の中心に温度計を入れて観測します。黒色の表面はほとんど反射しない塗料が塗られています。この黒球温度は、直射日光にさらされた状態での球の中の平衡温度を観測しており、弱風時に日向における体感温度と良い相関があります。
- 乾球温度は、通常の温度計を用いて、そのまま気温を観測します。
環境省「熱中症予防情報サイト」https://www.wbgt.env.go.jp/
おわりに
土木工事の建設現場は屋外での活動がメインとなります。
仕事中に体調が悪くならないように、作業内容とWBGTによって休憩する回数を増やしたり長くしたりするように指示しています。
そして休憩時間を快適に過ごしてもらうために、日影を作ったり、冷たい水が飲めるように工夫し、現場で働いてくれる仲間を熱中症から守れるようにアイデアを出していきましょう。
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