【管】工事用の丁張の掛け方
下水道工事などの管設置における「丁張」の役割は非常に重要です。
本ブログでは、ヒューム管や塩ビ管などの管工事に必要な丁張の掛け方を、わかりやすく解説します。
硬質塩化ビニル管(VU管)を用いた例を通じ、計画高からの管頂高の算出方法や、丁張の掛け方、管を正確に設置するための道具「ヒューム管レベル」の紹介をしていきます。
丁張の知識と技術は、工事の品質向上に直結します。
この記事を通じて、管工事の精度を高めるための重要なポイントを学びましょう。
管の寸法確認
使用する管(パイプ)の正確な寸法を確認しましょう。
管の種類によって内径が、呼び名と異なるため正確な寸法の把握が必要です。
例: 硬質塩化ビニル管VU200の外径は216mm、内径は202mm。
VU100では外径114mm、内径107mm。
計画高から管頂高の算出
下水道工事などの設計計画高は「管底高」で表示されていることがほとんどだと思います。
「管底高」とは、管内の水が流れる部分(内側の底)を指します。
丁張を掛けるに先立ち、計画高から管頂までの高さ(管頂高)を計算してみましょう。
例: VU200の場合
計画高(管底)が100.000m、内径が0.202m
管の厚さが(0.216 – 0.202) ÷ 2 = 0.007m。
したがって、管頂高は100.000+0.202+0.007=100.209mとなります。
管頂高から+100mmの計算
先ほど計算した管頂高から100mmや200mm上げて丁張(胴縁・ざら板)を水平に下端で設置します。
このブログでは例として100㎜上げで設置します。
100mm上げる理由は、水糸を張る際に管の受け口(ソケット)に当たらないようにするためです。
丁張高=100.209+0.100=100.309m
丁張の掛け方
丁張杭は管設置に影響がない位置に2本打ち込みます。
測量杭の天端を水準測量して「100.309m」の高さを釘などで明示します。
丁張板(胴縁・ざら板)を「下端」で取付けます。
100㎜上がりの胴縁(ざら板)を下端で水平に掛け終わったら、トータルステーションやトランシットで管芯(基準線)を視準し、ペンなどで明示します。
水糸と「ヒューム管レベル」
水糸で丁張同士を結び、水糸を基準に管を設置します。
水糸から管を100㎜下がりで正確に設置するには「ヒューム管レベル」が便利です。
管芯と高さの調整
「ヒューム管レベル」を使って硬質塩化ビニル管の管芯と高さを調整してみましょう。
管にヒューム管レベルを乗せて、棒状気泡管を水平にします。
垂直に定規(長さ150㎜)がついているので、0㎜部分を管頂に当ててネジで固定します。
そして、定規の100㎜の位置と水糸が合うように塩ビ管を上下左右に微調整して完了となります。
まとめ
今回のブログでは、一般的な管工事用丁張の掛け方と、便利な道具についてお話しさせて頂きました。
このように、丁張の正確な掛け方と管の寸法に基づく計算は、管工事の精度を高める上で非常に重要です。
正しい手順と慎重な作業により、安全かつ効率的な管施工を実現しましょう。
以上となります。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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