測量
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切土丁張をゲームで練習!無料の「切土丁張設置ゲーム」を公開しました

川下 政明
記事内に商品プロモーションを含む場合があります

土木工事の現場では、切土法面を施工するときに「切土丁張」を設置します。

しかし、新入社員や現場経験の少ない方にとって、

「法尻はどこ?」
「水平板はどの高さにすればいい?」
「幅杭からどれくらい離せばいい?」
「法板はどうやって取り付けるの?」

といった内容は、図面だけではなかなかイメージしにくいと思います。

そこで今回、切土丁張の考え方をゲーム形式で練習できるWebアプリを作成しました。

ブラウザ上で動作するので、パソコンだけでなくスマートフォンでも利用できます。

切土丁張設置ゲームはこちら

https://pooloyolo-ship-it.github.io/cut-slope-game

切土丁張設置ゲームとは?

このゲームは、切土法面の丁張を設置するときに必要となる基本的な考え方を、画面上で操作しながら学ぶための教育用ゲームです。

単純に計算問題に答えるだけではありません。

ゲームの中では、

  • 法尻位置を確認する
  • 幅杭からの距離を考える
  • 丁張杭を2本設置する
  • 水平板を取り付ける
  • 水平板のELを設定する
  • 水平板上の切出し位置を求める
  • 法板取付点を決める
  • 法板を取り付ける
  • 法勾配を設定する

という流れで、最終的に切土丁張の形を完成させます。

「計算した数字が、実際の丁張のどこに使われるのか」を理解できるようにしています。

ゲームの基本条件

問題によって条件は変わりますが、基本的には次のような情報が与えられます。

例として、

  • 掘削計画高:EL=10.000m
  • 掘削幅員:センターから5.000m
  • 切土法面:1:1.5
  • 幅杭:所定の位置に設置済み

といった条件から切土丁張を設置していきます。

法勾配については、角度ではなく、

1:1.5

のような、実際の土木現場で使用する表記で統一しています。

そのため、

「1:1.5は何度?」

と角度を計算する必要はありません。

ゲームの使い方

STEP1 法尻位置を確認する

最初に、掘削計画高と掘削幅員から法尻の位置を確認します。

例えば、

掘削計画高がEL=10.000m、
センターからの掘削幅員が5.000mなら、

法尻は、

センターから5.000m、EL=10.000m

となります。

切土法面を考えるときの基準になる重要な位置です。

STEP2 幅杭から法尻までの距離を考える

現場に設置されている幅杭を基準に、法尻までの水平距離を考えます。

ゲームでは幅杭があらかじめ表示されています。

実際の現場でも、幅杭や基準杭を利用して丁張位置や寸法を確認することがあります。

STEP3 丁張杭を2本打つ

ここからゲームらしい操作になります。

画面上の地盤をタップまたはクリックして、丁張杭を2本設置します。

杭の位置は、唯一の正解位置に固定していません。

実際の現場でも、

  • 掘削の邪魔にならない
  • 水平板を取り付けられる
  • 作業しやすい

といった条件を考えて位置を決めます。

STEP4 水平板を取り付ける

2本の杭を設置したら、その杭に水平板を取り付けます。

水平板は、このあと切土法面の位置を出すための重要な基準になります。

STEP5 水平板のELを設定する

水平板の高さは、ゲームをする人が決めます。

このゲームでは、

切出し位置付近の現況地盤より0.10~0.50m程度上

になる範囲で設定するようにしています。

例えば、切出し位置付近の現況地盤がEL=13.000mなら、

水平板ELは、

EL=13.100~13.500m

程度の範囲で設定します。

水平板を画面上で上下に動かして、自分で高さを決めます。

つまり、正解となる水平板ELは1つだけではありません。

STEP6 水平板ELでの切出し位置を求める

水平板ELを決めたら、その高さで計画法面がどこを通るのかを求めます。

例えば、

  • 法尻 EL=10.000m
  • 水平板 EL=13.200m
  • 法勾配 1:1.5

とします。

法尻から水平板までの高低差は、

13.200-10.000
=3.200m

です。

法勾配が1:1.5なので、

3.200×1.5
=4.800m

となります。

つまり、法尻から水平距離4.800mの位置が、水平板ELにおける切出し位置です。

この考え方が、切土丁張を掛けるときの重要なポイントになります。

STEP7 幅杭からの距離を求める

次に、先ほど求めた水平板上の切出し位置が、幅杭から何mの位置にあるのかを求めます。

例えば、

幅杭がX=10.750m、
水平板上の切出し位置がX=9.800mなら、

10.750-9.800
=0.950m

です。

したがって、

幅杭から切土側へ0.950m

の位置が法板取付点になります。

STEP8 水平板上に法板取付点を設置する

計算した位置に、画面上で「点」を置きます。

この点が、法板を取り付ける基準になります。

位置は、

0.01m
0.001m

単位で微調整できるようにしています。

大まかに位置を決めてから、最後に1mm単位で調整することができます。

STEP9 法板を取り付ける

法板取付点が決まったら、法板を設置します。

法板は、先ほど決めた点を基準に取り付けます。

STEP10 法勾配を設定する

最後に法板の勾配を設定します。

例えば設計法勾配が、

1:1.5

なら、

入力欄には、

1:1.50

となるように入力します。

角度ではなく、土木図面で使われる法勾配表記で設定します。

すべて正しく設定できれば、切土丁張が完成します。

スマートフォンでも利用できます

このゲームは、パソコンだけでなくスマートフォンでも利用できます。

スマートフォンでは、

  • タップで杭を設置
  • 指で水平板を移動
  • 法板取付点を設置
  • 2本指で画面を拡大・縮小

といった操作ができます。

細かい位置を確認するときは、ピンチ操作で画面を拡大すると操作しやすくなります。

このゲームで学んでほしいこと

このゲームで一番覚えてほしいのは、単なる計算式ではありません。

切土丁張では、

「どの位置を基準にして、どの高さから、どの距離を出しているのか」

を理解することが重要です。

特に、

  • 法尻
  • 幅杭
  • 水平板EL
  • 水平板上の切出し位置
  • 法板取付点
  • 法勾配

の関係が分かるようになると、実際の現場でも丁張の意味を理解しやすくなります。

利用上の注意事項

このゲームは、切土丁張の基本的な考え方を学ぶための教育用ツールとして作成しています。

実際の工事では、設計図書、現地条件、施工方法、使用する測量機器、施工会社や現場ごとの施工方法によって、丁張の設置方法が異なる場合があります。

そのため、実際の施工に使用する場合は、このゲームの結果だけで判断せず、

  • 設計図書
  • 施工計画
  • 測量成果
  • 現地条件
  • 現場責任者や監督員の指示

などを必ず確認してください。

また、丁張杭の位置、水平板の高さ、杭間隔、板の長さなどは、現場条件によって変わります。

本ゲームでは、初心者が考え方を理解しやすくするため、一部の条件を簡略化しています。

計算結果について

ゲームでは内部で数値計算を行っています。

表示上は小数第3位などに丸めていますが、内部計算では可能な限り丸めずに計算しています。

ただし、実際の施工では使用する測量機器の精度、施工許容値、設計図書などを確認してください。

無料で利用できます

この切土丁張設置ゲームは、現在無料で公開しています。

インストールは不要です。

ブラウザからそのまま利用できます。

切土丁張設置ゲームはこちら

パソコン・スマートフォンのどちらからでも利用できます。

https://pooloyolo-ship-it.github.io/cut-slope-game

まとめ

切土丁張は、初めて見ると少し複雑に感じるかもしれません。

しかし、

法尻を決める

水平板のELを決める

水平板上の切出し位置を求める

幅杭からの距離を出す

法板を取り付ける

法勾配を合わせる

という順番で考えると、理解しやすくなります。

今回作成したゲームでは、この流れを実際に画面上で操作しながら確認できます。

これから切土丁張を覚える新入社員や若手施工管理者の方は、ぜひ一度使ってみてください。

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川下 政明(かわしも まさあき)
川下 政明(かわしも まさあき)
土木施工管理技士
川下政明(かわしもまさあき)です。
土木施工管理歴30年以上のベテラン施工管理技士として、現場のリアルを発信中!
■施工管理のノウハウ
■測量のコツ・CADの活用法
■AIを使った業務効率化
【保有資格】
・1級土木施工管理技士
・2級管工事施工管理技士
・2級舗装施工管理技士
・測量士
・採石業務管理者など
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