施工管理
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【現場監督】の仕事を解説してみました。

まさあき
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建設会社では、建設工事を受注すると現場監督(現場の責任者)を選任して、工事現場を完成までしっかり管理させます。

良いものが出来上がると次の工事も受注しやすくなります。

最高の営業ですね。

そして、工事現場は建設業法、労働基準法、労働安全衛生法など法令に基づいて施工されています。

では,現場監督がどのような仕事を行っているのかをお話してみましょう。

現場監督とは

工事現場には必ず現場監督がいます。

現場監督とは何でしょうか。

 現場監督=「主任技術者及び監理技術者」のことを指します。

「主任技術者及び監理技術者」は文字通り工事の施工を全般的に管理する技術者です。

建設業法、第四章・施工技術の確保、第二十六条・主任技術者及び監理技術者の設置等(1)

  1. 建設業者は、その請け負った建設工事を施工するときは、当該建設工事に関し第七条第二号イ、ロ又はハに該当する者で当該工事現場における建設工事の施工の技術上の管理をつかさどるもの(以下「主任技術者」という。)を置かなければならない。
  2. 発注者から直接建設工事を請け負った特定建設業者は、当該建設工事を施工するために締結した下請け契約の請負代金の額(当該下請け契約が二以上あるときは、それらの請負代金の額の総額)が第三条第一項第二号の政令で定める金額以上になる場合においては、前項の規定にかかわらず、当該建設工事に関し第十五条第二号イ、ロ又はハに該当する者(当該建設工事にかかわる建設業が指定建設業である場合にあっては、同号イに掲げる者と同等以上の能力を有するものと認定した者)で当該工事現場における建設工事の施工の技術上の管理をつかさどるもの(以下「管理技術者」という。)を置かなければならない。

出典:監理技術者講習 施工管理法令集 2009年度 P-35

この建設業法第四章第二十六条では工事現場に主任技術者か監理技術者を配置しなさいと書かれています。

 主任技術者の条件として「イ」高等学校若しくは中等教育学校を卒業したもので在学中に国土交通省で定める学科を修めた者で3年以上の実務経験を有する者。

「ロ」建設工事に関して10年以上の実務経験を有する者。

「ハ」国土交通省大臣がイ、ロに掲げている者と同等以上の知識及び技術又は技能を有するものと認定した者。

(法第七条第二号) 監理技術者の条件として「イ」建設業の種類に応じた国土交通省大臣が定めるものに合格した者又は他の法令の規定による免許で許可を受けようとする建設業の種類に応じた国土交通省大臣が定めるものを受けた者。

「ロ」発注者から直接請け負い、その請負代金の額が政令で定める金額以上であるものに関し2年以上指導監督的な実務の経験を有する者。

「ハ」国土交通大臣がイ、ロに掲げる者と同等以上の能力を有するものと認定した者。

(法第十五条第二号) 主任技術者を配置するか監理技術者を配置させるかの違いを解説すると、建設工事を施工するにあたって下請業者との契約金額の大きさによって変わります。

一般建設業者が元受けの場合は、下請け契約の総額3,000蔓延(建築一式工事の場合は4,500万円)未満の建設工事は主任技術者の配置で足ります。

下請け業者の場合は特定建設業、一般建設業にかかわらず主任技術者の配置で足ります。

 特定建設業者が、発注者から直接工事を請け負い(元請)総額3,000万円(建築一式工事の場合は4,500万円)以上を下請け契約して施工する場合は監理技術者を置かなければなりません。

現場監督(主任技術者及び監理技術者)はどのような仕事をしているのかを解説します。

建設業法、第四章・施工技術の確保、第二十六条の三 ・主任技術者及び監理技術者の職務等
  1. 主任技術者及び監理技術者は、工事現場における建設工事を適正に実施するため、当該建設工事の施工計画の作成、工程管理、品質管理その他の技術上の管理及び当該建設工事の施工に従事する者の技術上の指導監督の職務を誠実に行わなければならない。
  2. 工事現場における建設工事の施工時従事する者は、主任技術者及び監理技術者がその職務として行う指導に従わなければならない。

出典:監理技術者講習 施工管理法令集 2009年度 P-36 

というように主任技術者及び監理技術者は、工事現場における管理を誠実に行うことと、現場で働いている人は現場監督の施工管理の指導に従わなければなりません。

施工計画について

施工計画とは、工事目的物を工期内に完成させるために必要な手順や工法について記載した計画です。

工事の品質や工期などを契約図書で要求されている事項を保持し、経済性を確保して、施工の安全と環境を調和させて工事を遂行するためのものです。

そのために施工方法、労務、機械、設備、材料の生産手段から利用できるすべてを選定・組み合わせて最適と考えられる具体的な施工の方法と手順を決める作業です。

施工計画は、「施工計画書」としてまとめます。

この計画書は工事の種類、規模などにより、記載する内容の程度は異なるが、施工管理の基本として重要なものです。

  1. 工事概要:工事名、発注者、請負金額、工事場所、工期、工事担当者、発注方法など工事管理上必要最低限の情報をまとめます。位置図、全体平面図、主要構造物図、地質柱状図、工事数量、設計条件などを添付します。
  2. 現場運営管理の方針:現場で重要と考えた問題点を品質、費用、工程、安全衛生、環境保全に整理して問題点の課題について記述して基本となる方針を記述します。
  3. 仮設工事計画:仮設工事には指定仮設と任意仮設があります。指定仮設は発注者が設計図書で構造や仕様を指定しているものです。
  4. 本工事の計画:主要な工種、方針達成に関わる工種、特に留意する工種の施工方法、主要資機材、施工設備、作業環境、作業者の資格・配置人数などフローチャートを使って簡潔に記述します。
  5. 品質計画:検査・試験一覧には購入材料、支給品、工程内・下請け先での検査及び発注者の検査、試験項目と合わせて、基準・規格値を記述します。
  6. 工程計画:工程表は工事進捗管理に最適なものを作成します。
  7. 従業員計画:従業員編成表は、施工管理の責任と権限を明確にするとともに業務分担、職務分担を明示します。
  8. 調達計画:本工事計画と仮設工事計画を基に機械計画、資材計画、支給品管理計画などを記載します。
  9. 安全衛生計画:事故、災害防止の具体的実施内容、教育内容、特殊検診を含む健康診断、新規入場者教育、危険予知活動、作業手順などを記載します。公共工事では、月1回4時間以上の安全訓練教育を計画・実施することが義務付けられています。
  10. 環境保全対策及び建設公害防止計画:建設工事は周辺環境へ大きな影響を与えるので、廃棄物及び典型7公害(水質汚染、騒音、振動、大気汚染、土壌汚染、地盤沈下、悪臭)について、予想される具体的な内容と対策について記述します。
  11. 品質記録:発注者へ品質記録等の報告が義務付けられています。工事請負契約締結から竣工検査が終了するまでの間受注者、発注者それぞれ書類が作成され、工事書類として発注者に一定期間保管されます。

工程管理について

工程管理は、時間という側面から施工の実態を把握し、決められた工期内に工事目的物を完成させるために重要なものです。

工事期間中にどのような順序で作業するのかを工程表に明記します。

週間工程と月間工程を作成し作業間の調整を行い、工程の遅れが1週間程度出てきた場合は増員するなどの対策をします。

  1. 進捗管理:工事の進捗管理を行う場合は、工事の進捗状況を常に把握して計画と実施の差異を早期に発見して適切な措置を講じることが重要です。
  2. 作業量管理:進捗管理は時間を基準として工事の進捗を管理しますが、作業量管理は工事進捗管理の前提となる作業員や建設機械の施工速度と天候などの作業効率を維持するための管理です。

品質管理について

建造物の品質に焦点を合わせたものが、一般的に現場の品質管理といわれる施工段階の品質保証活動です。内容には4つに整理されます。

  1. 設計品質の確認と整理:図面で示されるほかに、現場説明、施工中の指示自公などで示されることが多いので、文書や図面で整理しておきます。
  2. 工程で品質を作り込む活動:適切な管理項目を設定して、これを軸にPDCA(計画・実施・検討・処置)の管理活動が必要です。
  3. 品質を確認する活動:施工中の各段階で検査や試験をを行います。
  4. 品質を改善する活動:検査や試験の結果をもとに平均値・ばらつきの分布を規格値と対比して評価していきます。設計品質に対して明らかに不十分の場合は、やり直しや補強などの改善活動を行います。

建設現場で出来上がってくる製品は、工場生産される製品と違い、一品受注生産だったり生産の現場が画一的なものでないなどの特殊性があり、品質管理という概念も捉えにくくなっています。

最後に

現場監督を簡単に言うと、お客様から工事を受注したら、どのように工事をするのかを計画して品質の良いものを工期内に無事故で完成させる為の世話役さんということです。

 上記の管理のほかに安全管理や原価管理もあります。

請負金額の大きな現場では現場監督さんが数人いますが、請負金額の小さな現場だと全て1人でやっていかなければなりません。

管理項目が多く現場を運営していくにはそれなりの苦労がありますが、工事が完成した時の達成感は言葉には表せないものがあります。

 建設現場で作ったものは地図に残るものでもありますし、その場所の風景になって残っていく物でもあります。

工事現場のイメージは少し悪いのかもしれませんが、現在は決してそんなことはありません。

職場環境の改善も進んでおります。

女性の現場監督さんもいるくらいですので現場監督になって仕事をしてみたいという方は是非挑戦してみてくださいね。

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建設産業企業実務研究会 2009年3月10日 

【監理技術者講習 施工管理法令集】 大日本印刷株式会社 株式会社建設産業振興センター 2009年3月25日 

【改定第5版 監理技術者講習テキスト】 株式会社廣済堂 一般財団法人全国建設研修センター 平成26年4月7日 

【監理技術者必携-監理技術者講習テキスト-(平成25年10月版)】 株式会社愛甲社

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川下 政明
川下 政明
土木施工管理技士
川下政明(かわしもまさあき)と申します。
土木施工管理歴30年。
地場の建設会社に勤務しております。
1級土木、2級管工事、2級舗装、測量士、採石業務管理者を保有しております。
このブログは、工事現場に関する「施工管理」・「測量」・「HO_CAD」・「JW-CAD」・「パソコン」などについて発信しています。
参考にしていただけると嬉しいです。
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