【縦断図】の見方をわかりやすく解説します|土木工事の図面
土木工事の「縦断図」の見方について解説します。
縦断図は、「道路工事」や「河川工事」などCL(センターライン)沿いに切取って、横から見た図面になります。
高低差をより分かりやすくするために、「縦長」になるように表示しています。
縦断図の見方
道路工事の場合、左側が起点方面、右側が終点方面です。
河川堤防・護岸工事の場合、下流を起点として上流に向かって追番号します。
下の図面は道路工事の平面図です
下の図が、道路工事の「縦断図」です。
測点間隔は20mピッチです。
図面の縮尺
縦断図は「高低差」を分かりやすくするために、縦横の縮尺を変えています。
縮尺
V=1:200(縦)
H=1:1000(水平)
となっています。
V=1:200の「V」は「バーチカル(vertical)」の略です。
H=1:1000の「H」は「ホリゾンタル(horizontal)」の略です。
縦=1/200
横=1/1000
と表示する場合もあります。
縮尺「1:200」とは、実際の長さや高低差を200分の1に縮小して作図しているということになります。
例えば、1m(1000mm)の1:200は、図面上で5㎜(1000÷200=5)となります。
そして、1m(1000mm)の1:1000は、図面上で1㎜(1000÷1000=1)となります。
記号・項目の意味
- 測点:道路工事の場合は20mピッチで追番号していきますが、河川工事の場合は100mピッチで表示している場合もあります。
- 単距離:測点間または中間点の距離を表示しています。
- 追加距離:単距離を足算してき、起点からの累計距離を表示しています。
- 地盤高:CL(センター)での現地盤標高です。
- 計画高・CL(センター)での仕上がり高さ(標高)です。
- 切土:計画高より地盤高のほうが高い位置にある場合(土を削り取る)に、高低差の値を明示しています。
- 盛土:計画高より地盤高のほうが低い位置にある場合(土を盛る)に、高低差の値を明示しています。
- 勾配(i):道路の水平面に対する「傾き」を%で表しています。例えば1%勾配は水平方向に1mに対して高低差が0.01mのことを言います。
- DL:基準線・基準高さ「datum line(データムライン)」の略です。
- 曲線:単曲線やクロソイド曲線の情報が明示されています。
この縦断図ではA=150(クロソイドパラメータ)、L=75.0(クロソイド区間の延長)のクロソイド曲線で、「右カーブ」となっております。 - 片勾配すり付け図:横断方向の道路勾配を表しています。
赤い線が道路センターです。
道路センターから上が「+」勾配(上がる)、下が「ー」勾配(下がる)となります。
破線が右側車線、実線が左側車線です。
赤い線の上に表示されている数字は、左側の横断勾配です。赤い線より下に表示されている数字は、右側の横断勾配です。
№70の場合、センターから見て左側車線横断勾配が-2.0%、右側が+1.986%となります。
№72の場合、左側車線横断勾配が-1.985%、右側が-2.0%です。
№74の場合、左側車線横断勾配が+2.282%、右側が-2.282%です。
- VCL:バーチカル曲線長(縦断曲線を設置する区間)
- VCR:バーチカル曲線半径
- Y:一定勾配線とバーチカル曲線の高低差
おわりに
今回のブログでは、土木工事で使用する「縦断図」の見方について解説させていただきました。
「縦断図」は高低差を分かりやすく表示するために、縦横の縮尺を変えて、縦長グラフ状に作図しています。
その他に測点・単距離・追加距離・地盤高・計画高・切土・盛土・勾配・曲線・片勾配すり付け図・バーチカル曲線の情報が記載されています。
以上となります。
最後までお読みいただきありがとうございました。
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