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【締固め曲線】の書き方|最大乾燥密度と最適含水比について

まさあき
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土の締固めは、土の粒子を密に詰めることで、土の強度、安定性、耐久性を高めることを目的としています。

適切な締固めを行うことで、地盤の沈下を防ぎ、構造物の安全性を確保することができます。

締固めの効果は、土の種類、含水比、締固め方法などによって大きく異なります。

例えば、砂質土と粘性土では締固めの反応が異なり、それぞれに適した方法が必要です。

また、含水比が適正でないと、いくら締固めを行っても十分な効果が得られないことがあります。

したがって、現場での実際の締固め作業を行う前に、「突固めによる土の締固め試験」を行い適切な締固め条件を見つけ出すことが重要です。

今回のブログでは、締固め曲線の作成方法、最大乾燥密度と最適含水比の求め方、ゼロ空気間隙曲線の作成方法について詳しく解説します。

このブログを通じて、現場での土の締固め作業がより効果的かつ効率的に行えるように役立てていただければ幸いです。

締固め曲線の作成

締固め曲線は、含水比と乾燥密度の関係を示す曲線で、土の締固め特性を把握するために重要なグラフです。

締固め試験を通じて得られたデータを基に、以下の手順で作成します。

締固め試験結果の取りまとめ

突き固めによる締固め試験では、同じ土に対して、含水比を変化させて乾燥密度を測定します。締固め試験の具体的な手順は次の通りです。

  1. 試料土の準備:試験に使用する土を適切に準備します。
  2. 締固め:準備した土を試験用のモールド(内径10cm)に入れ、質量2.5kgのランマーで3層に分けて締固めます。​
  3. 密度測定:試料土の締固め後、含水比と質量を測定します。
    試料土は含水比を6~8段階変化させます。

湿潤密度と乾燥密度の計算

土の重量を計算しよう

例として下の表を用意しました。

各含水比ごとの「モールドと土」の重量となっております。
モールド質量2050gをそれぞれの値から引き算して土の重量を計算してみます。

モールドの質量を引き算した計算結果となります。

湿潤密度ρtを計算しよう

次に湿潤密度ρtを計算します。

土の重量をモールドの体積で割り算します。
体積は1000cm3となります。

$$ρt=\frac{土の重量}{モールド体積}$$

乾燥密度ρdを計算しよう

次に乾燥密度ρdを計算します。

計算式は次の通りです。

$$ρd=\frac{ρt}{1+含水比/100}$$

データのプロット

測定された各含水比に対する乾燥密度をプロットします。

具体的には、含水比を横軸(x軸)に、乾燥密度を縦軸(y軸)に取ってデータポイントをプロットします。

曲線の描画

プロットされたデータポイントを滑らかな曲線で結びます。

これが締固め曲線です。

最大乾燥密度と最適含水比の決定

この締固め曲線は通常、山なりの形をしており、その頂点が最大乾燥密度と最適含水比を示します。

  • 最大乾燥密度:締固め曲線の最高点に対応する乾燥密度。
    ρdmax=1.71g/cm3
  • 最適含水比:最大乾燥密度を示す含水比。
    wopt=18.1%

ゼロ空気間隙曲線

ゼロ空気間隙曲線は、土の中から完全に空気を追い出した理想的な締固め状態(Sr=100%)、つまり、土が飽和して空気が含まれない状態を示します。

この曲線は、空気間隙がゼロの場合の乾燥密度と含水比の関係を示します。

ゼロ空気間隙、乾燥密度ρdと飽和度Srの関係式で計算

$$ρd=\frac{ρw}{ρw/ρs+w/Sr}$$

Sr(飽和度)=100%
ρw(水の密度)=1.0g/cm3
ρs(土粒子の密度)=2.68g/cm3として計算します。

この公式を使って各含水比のゼロ空気間隙の乾燥密度(ρd)を計算します。

データのプロット

計算した乾燥密度を含水比に対してプロットします。

横軸に含水比、縦軸に乾燥密度を取ります。

曲線の描画

プロットしたデータポイントを滑らかな曲線で結びます。

これがゼロ空気間隙曲線です。

最大乾燥密度の95%以上を満足する含水比の範囲

最大乾燥密度ρdmax=1.71g/cm3の95%を計算してみましょう。

ρdmax95%=1.71×0.95=1.62g/cm3

この「1.62g/cm3」の線を締固め曲線に入力し、曲線との交点(2か所)の範囲が最大乾燥密度の95%以上を満足する含水比の範囲となります。

ρdmax95%を満足する含水比の範囲=14.5%~22.0%

まとめ

今回のブログでは、締固め曲線の作成方法、最大乾燥密度と最適含水比の求め方、ゼロ空気間隙曲線の作成方法について解説させていただきました。

含水比を6段階変化させた土試料での締固め試験結果をもとに、土の重さ・湿潤密度・乾燥密度の計算を行いグラフにプロットしました。

プロットした点を滑らかな曲線で結び、締固め曲線を作成しました。

この締固め曲線は通常、山なりの形をしており、その頂点が最大乾燥密度と最適含水比を示します。

ゼロ空気間隙曲線は、土の中から完全に空気を追い出した理想的な締固め状態(Sr=100%)、つまり、土が飽和して空気が含まれない状態を言います。

各含水比のゼロ空気間隙の乾燥密度(ρd)を計算しました。

最後に最大乾燥密度の95%以上を満足する含水比の範囲は締固め曲線との交点(2か所)の範囲が最大乾燥密度の95%以上を満足する含水比の範囲となります。

以上となります。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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川下 政明
川下 政明
土木施工管理技士
川下政明(かわしもまさあき)と申します。
土木施工管理歴30年。
地場の建設会社に勤務しております。
1級土木、2級管工事、2級舗装、測量士、採石業務管理者を保有しております。
このブログは、工事現場に関する「施工管理」・「測量」・「HO_CAD」・「JW-CAD」・「パソコン」などについて発信しています。
参考にしていただけると嬉しいです。
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