AutoCAD図面の復元方法|.bakファイルや自動保存ファイル(.sv$)で復活!

AutoCADの作業中に、突然ソフトが落ちてしまった経験はありませんか?
「保存していなかった図面が消えた…」という状況は、多くの設計者にとって悪夢のような出来事です。
しかし実は、AutoCADには「バックアップファイル(.bak)」や「自動保存ファイル(.sv$)」という図面を救う機能が備わっています。
本記事では、それらのファイルを活用して図面を復元する具体的な方法を、初心者にもわかりやすく解説します。
「バックアップファイル(.bak)の復元方法
バックアップファイルの場所を確認
「.bak」ファイルは通常、元の 「.dwg」ファイルと同じフォルダ内に保存されています。

ファイルをコピーする
上書きを防ぐために「.bak」ファイルを別のフォルダにコピーしておくのをおすすめします。
拡張子を .dwg に変更
コピーしたファイルの拡張子を「.bak
」から「.dwg
」に変更します。
たとえば「drawing.bak
」 → 「drawing.dwg
」です。
「拡張子を変更すると、ファイルが使えなくなる可能性があります。変更しますか?」と表示されるので「はい」をクリックします。

AutoCADで開く
「.dwg
」に変更したファイルをダブルクリックするか、AutoCAD で通常のドキュメントとして開いてください。
注意点
「ファイル名拡張子を表示しない」設定になっていると、drawing.dwg.bak
のように見えてしまう場合があります。
本当に「.bak
」を「.dwg
」に変えているかしっかり確認しましょう。
Windows の場合、「フォルダー オプション」から拡張子を表示する設定にすると安心です。
- Windows 11の場合:「表示」→「表示」→「ファイル名拡張子」
- Windows 10の場合:「表示」→「ファイル名拡張子」のチェックボックス

「.bak」ファイルは、最後に上書き保存した前の状態を保持したバックアップです。
最新の変更内容は含まれないことがありますので、復元後は内容をよく確認してください。
自動保存ファイル(.sv$)の復元方法
「.sv$」という拡張子のファイルは、一時的な自動保存ファイルとして作られているんですが、通常はクラッシュしたときやアプリの強制終了、電源トラブルなど、復元用に使われるもので、エクスプローラーでデフォルトでは表示されないことが多いです。
正常終了した場合は「.sv$
」は自動で削除されます。
「SV$」ファイルを見たい場合は、エクスプローラーの表示オプションで「隠しファイル」を表示する設定にしましょう。

自動保存フォルダの場所を確認
AutoCADの設定で、自動保存ファイルの保存先を確認できます。
- コマンドラインに
OPTIONS
(オプション)と入力し、Enterキー を押します。 - 「オプション」ダイアログボックスが開きます。
- 「オプション」ウィンドウ内の上部タブから【ファイル】を選択します。
- 表示されたツリーの中から「自動保存ファイルの場所」 を探します(英語版なら “Automatic Save File Location”)。
- 「自動保存ファイルの場所」をクリックすると、保存先のフォルダパスが表示されます。

.SV$
ファイルを見つける
- エクスプローラーなどで上記のフォルダに移動し、ファイルの一覧から「
.sv$
」拡張子のファイルを探します。 - もし表示されていない場合は、エクスプローラーの「表示オプション」で「ファイル名拡張子を表示」をONにしてください。

拡張子を変更して復元
「.sv$
」を選んで、拡張子を.dwg
に変更します。
(例:「drawing.sv$」→「drawing.dwg」)- 警告が表示された場合は「はい(Yes)」でOKです。
AutoCADで開く
拡張子を変更した「.dwg
」ファイルを、通常の図面ファイルとしてAutoCADで開きます。
図面修復管理(Drawing Recovery Manager)の使い方
AutoCAD(およびAutoCAD LT)に備わっている「図面修復管理」機能を使って、異常終了時などに失われた図面ファイルを復元する方法を以下にご紹介します。
図面修復管理を開く方法
アプリケーションメニュー(左上の「A」アイコン) → [図面ユーティリティ] → [図面修復管理を開く] をクリックします。

図面修復管理の画面でできること
「図面修復管理」パレットには、以下のファイルが一覧表示されます。
.sv$
(自動保存ファイル).bak
(手動保存時に自動生成されるバックアップファイル)- 元の
.dwg
ファイル

復元したい図面を探し、一覧から選びます。
ファイル名(またはそのルートノード)を ダブルクリック、もしくは右クリック → 「開く」 を選んで開きます。
開いた図面は、「名前を付けて保存」で必要に応じて .dwg
ファイルとして保存します。
異常終了時に自動でポップアップ表示される場合もあり
AutoCADがクラッシュした場合、次回起動時に「図面修復管理」が自動的に表示され、復元可能なファイルを提示してくれることがあります。
コマンドラインでの修復(RECOVER / AUDIT)
既存図面が破損して開けない場合は以下のコマンドも有効です。
RECOVER
:アプリケーションボタン → 図面ユーティリティ → 修復 から実行可能です。破損した図面の回復を試みます。AUDIT
:開いている図面の内部エラーをチェックし、その場で修復するコマンドです。

まとめ
AutoCADでは、万が一のクラッシュや保存忘れにも対応できるよう、自動保存ファイル(.sv$
)やバックアップファイル(.bak
)が用意されています。
図面の復元には、拡張子を変更して開く方法や、図面修復管理機能、コマンドによる修復など、さまざまな手段があります。
普段からこまめに保存を行い、ファイルの保存場所や拡張子の表示設定を理解しておくことで、万が一のトラブルにも落ち着いて対応できるようになります。
最後までお読みいただきありがとうございました。

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