施工管理
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RIによる密度の測定方法

まさあき
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盛土の施工現場で締め固めた土の密度を測定する手法として、次の2つの方法が一般的です。

  • ラジオアイソトープRI(放射性同位元素)を用いる手法(RI法)。
  • 測定対象位置の地表面の土を掘って、その土の質量と掘った穴の体積から密度を求める手法。

RI法

RI法はガンマ―線が土中を透過するとき、土の密度に応じて透過量が変化する性質があり、その性質を利用して土の密度を計測します。

それから、エネルギーの高い高速中性子線は水素原子に衝突するとエネルギーを失って熱中性子線に変化する性質があり、その性質を利用して土の含水比を計測しています。

RI法は計測点1点につき、1分程度の計測で密度と含水比を知ることができる為、様々な土工現場で広く用いられています。

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試験器具

  • RI計器:密度計と水分計が1対の測定値として構成されているもので、土中下200mmに挿入することのできる線源部及び検出器、計数装置からなる計器です。
    • 線源:Co-60(コバルト60:2.6メガベクレル)およびCf-252(カルフォルニウム252:1.1メガベクレル)からなる密封線源です。
    • 線源棒:直径16㎜、長さ約200mmの先端を鈍くとがらせた鉄棒の先端部にガンマ線源および中性子線源を有し、あらかじめ削孔された孔へ挿入できる構造のものです。
    • 検出器:ガンマ線及び熱中性子線を検出する部分です。
  • 地表面整形用器具:鉄板、ストレートエッジ等測定箇所の地表面を平滑に仕上げるのに必要な器具です。
  • 測定孔作製用器具:測定する地表面に垂直な線源棒の外形にほぼ等しい孔を形成する器具です。ガイド板、打ち込み用ハンマー、打ち込み棒

現場測定

α値の設定

  1. 対象となる土質を選定します。
  2. 標準体計数率及びBGの測定を行います。(BGとは土中や宇宙から放出される自然放射能のことです)
  3. 測定箇所の表面を地表面整形用器具を用いて、必要な広さが平滑になるように凹凸あるいは緩んだ部分を削り取り、RI計器と測定表面の密着性が得られるようにします。
  4. 平坦にした地表面に、線源棒を取り外したRI計器を設置します。
    なお、取り外した線源棒は、RI計器より20m以上遠ざけます。
  5. RI計器の表示スイッチを現場計測に合わせて、BGの測定を行います。測定時間は1分間とし、1分当たりの計数率を求めます。
  6. RI計器を移動させて、同一個所に測定孔作製用器具を用いて測定表面に垂直に所要の深さの挿入孔を形成します。
  7. RI計器に線源棒を取り付け、測定箇所にRI計器を設置し、RI計器を軽く手前に引き寄せます。この際、線源棒はあらかじめ形成された孔に孔壁を乱さない様に挿入させます。
  8. RI計器の測定モードをα値の設定機能にセットした上で、α値と含水比との関係を求めるため1分間測定します。
  9. RI計器を取り外し、挿入孔付近(深さ20cmまで)の土を1kg以上採取し、含水比を含水比試験により求めます。
  10. α値と含水比との関係から、含水比試験で求めた含水比に最も近いα値を選定し、その値をその土のα値とします。

現場測定方法

現場密度測定前に1日1回、標準体計数率およびBGの測定を行い準備します。

  1. 測定箇所の代表地点(測定対象ヤードの中心付近)を選定します。
  2. 線源棒を取り外したRI計器を設置します。なお、取り外した線源棒は、RI計器より20m以上遠ざけます。
  3. RI計器の表示スイッチを現場計測に合わせ、BGの測定を行います。(測定時間は1分間)
  4. 測定箇所の表面をストレートエッジ等を使い、必要な広さが平滑になるように凸凹あるいは緩んだ部分を削り取り、RI計器と測定表面の密着性が得られるようにします。
  5. 測定孔作製用器具を用いて、測定表面に垂直に所要の深さの挿入孔を形成します。
  6. 測定箇所にRI計器を設置し、RI計器をを軽く手前に引き寄せます。この際、線源棒はあらかじめ形成された孔に孔壁を乱さないように挿入します。
  7. RI計器に測定箇所の位置情報、α値を入力します。
    測定は1分間(1分/回×1回)行い、1分当たりの計数率を求めます。
  8. 以後、同一施工エリア内での測定については①~⑦の操作を繰り返し必要個数測定を行います。

注意事項

  • RI計器は精密機械ですので、運搬中に強い衝撃を与えたり、降雨にさらしたりすることのないように取り扱いには十分注意します。
  • RI計器の使用にあたっては、計器ごとに検査成績書を確認しましょう。

砂置換法について

掘った穴の体積を粒径のそろった砂で置き換えて求める【砂置換法】についてのブログ記事があります。

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川下 政明
川下 政明
土木施工管理技士
川下政明(かわしもまさあき)です。
土木施工管理歴30年以上のベテラン施工管理技士として、現場のリアルを発信中!
■施工管理のノウハウ
■測量のコツ・CADの活用法
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【保有資格】
・1級土木施工管理技士
・2級管工事施工管理技士
・2級舗装施工管理技士
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