PDF図面をCADデータ(DWG/DXF)に変換してみた|PDF編集ソフトの実力検証【MiniTool PDF Editorレビュー】
今回は、PDF編集ソフト「MiniTool PDF Editor(V2.0)」の中でも注目機能の一つ、PDF図面データをCAD形式(DWG / DXF)に変換する機能について実際に試してみた内容を紹介します。
CAD図面をPDFで受け取ることは多くなっていますが、「再編集のためにCADデータに戻したい」と思ったことはありませんか?
MiniTool PDF Editor(V2.0)には、その変換を可能にする機能が備わっています。

言語設定を「日本語」に変更
MiniTool PDF Editor(V2.0)は起動直後の初期状態では英語表示ですが、メニューから日本語へ簡単に切り替え可能です。
設定(Settings)画面から「General」→「Display Language」を「日本語」に変更するだけで、すべての操作画面が日本語化されます。


ブロック積図面PDFをCADデータへ変換
準備したのは、現場で使用しているベクター形式のブロック積構造の施工図PDFです。

このファイルをMiniTool PDF Editor(V2.0)に読み込み、DWG形式およびDXF形式にそれぞれ変換してみました。
PDF図面をDWG形式及びDXF形式へ変換
PDFを開いた状態で「変換」→「PDFからその他のファイル」→「PDFからCAD」を選択します。


「形式」を【DWG】又は【DXF】に選択します。
「開始」をクリックすると変換が始まります。


変換は十数秒で完了しました。
DWG TrueViewでの確認結果
変換したDWG/DXFファイルを「DWG TrueView」で開いてみた結果です。
DWGファイル
図面はモデル空間上に正確に再現され、線や図形も崩れることなく、寸法線などもきれいに残っていました。
また、グリッド線のようなマス目状の線も表示されており、図面全体の構成が把握しやすくなっています。
ただし、日本語の文字はすべて文字化けしており、注記・説明文は正しく再現されないため、ご注意ください。
図面構成の確認や再作図の下地としては十分活用できますが、そのまま印刷や提出に使うには調整が必要です。

DXFファイル
次に、同じPDF図面をDXF形式で変換してみました。
今度は、図面だけでなく日本語の文字もほぼ正しく再現されました。
DWGに比べて再現性は明らかに良好です。
再編集を前提とした利用では、DXF形式の方が実用的に感じました。

他のソフトでの表示確認
変換したCADファイルを、実際の業務で使用する他のCADソフトでも確認しました。
Jw_cad(DXF形式のみ)
DXFファイルを読み込むと、線と寸法線は表示されましたが、文字はすべて文字化けしており、読めない状態でした。
また、図面に含まれていた着色した塗りつぶし(ペイント)も表示されませんでした。
さらに、縮尺が「S=4/1」 という設定になっており、Jw_cadで図面として使用するには、
縮尺の調整や寸法の書き直しが必要です。
そのまま実務で使うには調整作業が多く、やや扱いづらいと感じました。

デキスパート「A-NOTE」
MiniTool PDF Editor(V2.0)で変換したDXFファイルをA-NOTEに読み込むと、図面全体は正しく表示され、ブロック積構造の形状や寸法線も問題なく再現されました。
日本語の注記も正常に表示され、図面としての実用性は高いと感じました。

一方で、DWGファイルは文字情報が欠落するケースがあり、DXF形式での出力・使用が推奨されます。

HO_CAD pao
HO_CADでは、DWG・DXFの両形式とも「縮尺=1/1」、モデル空間が正しく反映されており、変換後の図面全体を自然なスケールで表示することができました。
DWGファイル
線や図形は正常に表示され、着色されたペイント部分も再現されています。
ただし、日本語の文字は文字化けしており、注記や寸法の表記は読み取れない状態です。
数字(寸法値など)は正常に表示されているため、部分的な確認用には使えそうです。

DXFファイル
こちらは非常に再現性が高く、線、文字、ペイント、縮尺のすべてが正しく表示されました。
文字化けもなく、Jw_cadとは異なり注記まで含めてそのまま使用可能な状態です。
HO_CADとの相性は良好で、変換後の図面を手直しせずに確認・印刷に活用できると感じました。

このように、MiniTool PDF Editor(V2.0)で出力したDXFファイルは、HO_CADでは非常に高い再現性を示しており、現場での図面確認用途にも十分活用できるレベルです。
スキャンPDFは変換不可
なお、紙の図面をスキャナーで取り込んで作成した画像PDFも試してみましたが、このようなPDFは変換対象外(ラスタ形式)となり、CADデータとして出力されませんでした。

ベクター情報を持ったPDFに限り、CADデータとして変換できる仕様のようです。
まとめ|図面変換用途としてはDXF形式が有効
MiniTool PDF Editor(V2.0)のCAD変換機能は、PDF編集ソフトの一機能としてはかなり実用的です。
特にDXF形式は、AutoCAD、Jw_cad、HO_CADなどさまざまな環境でも高精度で再現され、実務に活用できるレベルにあります。
ただしDWG形式は、文字化けなどの影響でソフトによっては再調整が必要な場合があります。また、スキャンPDFには対応していない点には注意が必要です。
MiniTool PDF Editor(V2.0)には他にも多くの機能が搭載されていますが、本記事ではPDF図面のCAD変換機能に絞ってご紹介しました。
MiniTool PDF Editor(V2.0)の詳細はこちら


![]() にほんブログ村 |
![]() にほんブログ村 |
![]() にほんブログ村 |