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橋・道路・トンネル・ダム――現代のインフラを支えるコンクリート。水・セメント・骨材・混和材を原料とし、安価で耐久性・耐火性に優れるこの材料は、明治以降のわが国の社会基盤を形成してきました。本記事ではコンクリートの材料・性質・配合設計から鉄筋コンクリート(RC)の原理まで、基礎をわかりやすく解説します。
① コンクリートの材料
コンクリートは、水・セメント・細骨材(砂)・粗骨材(石)・混和材料の5種類を材料として広く利用されている建設材料です。
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セメント
灰色の粉末。正式名はポルトランドセメント。粘土と石灰を高温焼成し、石膏を加えて粉砕して製造。JISで4種類に分類。
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練混ぜ水
セメントと反応してセメントペーストを形成する材料。JISで上水道水・それ以外の水・回収水の3種類に規定。
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細骨材
0.015〜5mmの砂。10mm網ふるいを全部通り、5mmふるいを質量で85%以上通る骨材として定義される。
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粗骨材
5mm以上の砂利や石。5mm網ふるいに質量で85%以上留まる骨材。近年は砕石・砕砂など人工骨材が主流。
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混和材料
品質改良のため練り混ぜ時に混入する材料。使用量により混和材(フライアッシュ等)と混和剤(AE剤等)に分類。
骨材(砂・砂利・石)はコンクリートの体積の7〜8割を占め、物性に与える影響が非常に大きい重要材料です。天然骨材と、岩を砕いてつくった人工骨材の2種類があります。
セメントの種類(JIS規定)
セメントは大きく4種類に分類されます。
- ポルトランドセメント:普通・早強・超早強・中庸熱・低熱・耐硫酸塩
- ポルトランドセメント(低アルカリ型):普通・早強・超早強・中庸熱・低熱・耐硫酸塩
- 混合セメント:高炉セメント・シリカセメント・フライアッシュセメント
- エコセメント:普通・速硬
そのほかJIS規定外の特殊セメント(白色セメント・アルミナセメント・超速硬セメント等)も存在します。
② コンクリートの性質と配合設計
コンクリートはセメントと水と骨材と混和材から構成される複合建設材料です。骨材をセメントペーストが接着剤のような役割で結合してできています。
図:コンクリートの構成材料
コンクリートは圧縮に強く、引張りに弱い。その弱点を補うために補強材として鉄筋が用いられる。
配合設計の主な指標
配合設計とは、1m³のコンクリートをつくるために必要な各材料の使用量を求めることです。
W/C
水セメント比(W/C)
単位水量を単位セメント量で割った値。水セメント比は65%以下とされている。
W
単位水量
コンクリート1m³に用いる水の量。粗骨材最大寸法が20〜25mmなら上限175kg/m³、40mmなら165kg/m³。
C
単位セメント量
コンクリート1m³に用いるセメントの量。単位水量と水セメント比から算出する。
s/a
細骨材率(s/A)
1m³当たりの細骨材(S)とすべての骨材(A)の体積比率。
フレッシュコンクリートの性質
まだ固まっていないコンクリートをフレッシュコンクリートと呼びます。施工性を左右する5つの性質があります。
ワーカビリティー
施工の作業しやすさ全般。運搬・打込み・締固め・仕上げなどの容易さを表す。
プラスティシティー
型に詰め込みやすく、型を外してもゆっくり変形し、形が崩れず材料が分離しない粘り強さ。
フィニッシャビリティー
コンクリート表面の仕上げのしやすさ。
ポンパビリティー
コンクリートの圧送を可能にするための品質・性能。
③ 鉄筋コンクリート(RC)工学
圧縮に強く引張りに弱いコンクリートと、引張りに強い鋼材を組み合わせた鉄筋コンクリート(RC)は、土木構造物に必要不可欠な存在です。異なる材質の鉄筋とコンクリートが、外力に対して一体となって抵抗します。
図:鉄筋コンクリートの応力分担(コンクリート=圧縮、鉄筋=引張)
RCが成立する3つの条件
🌡️
熱膨張係数がほぼ等しい
温度変化による膨張・収縮がほぼ同じため、剥離が生じにくい。
🔗
鉄筋とコンクリートの付着が十分
付着強度が確保されており、外力に対して一体として挙動できる。
🛡️
不動態被膜により防錆
コンクリートのアルカリ性が鉄筋表面に不動態被膜を形成し、錆びにくい。
鉄筋のJIS規格(主な種類)
| 記号 |
降伏点強度(N/mm²) |
引張強度(N/mm²) |
適用径 |
| SR235 | 235以上 | 380〜520 | 径16mm以下 |
| SR295 | 295以上 | 440〜600 | 径16mm以下 |
| SD295A | 295以上 | 440以上 | 径D16以下 |
| SD295B | 295〜390 | 440以上 | 径D16以下 |
| SD345 | 345〜440 | 490以上 | 径D41以下 |
| SD390 | 390〜510 | 560以上 | 径D25以下 |
| SD490 | 490〜625 | 620以上 | 径D25超え |
鉄筋コンクリートの利点は、耐久性・耐火性に優れ、自由な形状が可能なこと。一方でコンクリート自体の重さが重く、施工による品質差が生じやすい点が課題です。
④ まとめ
コンクリート工学の要点
- 5つの材料:セメント・水・細骨材・粗骨材・混和材料が基本。骨材が体積の7〜8割を占める。
- 配合設計:水セメント比・単位水量・単位セメント量・細骨材率を適切に設定することが品質の鍵。
- フレッシュコンクリートの施工性:ワーカビリティーをはじめとする5つの性質が施工品質に直結する。
- 鉄筋コンクリート(RC)の原理:圧縮はコンクリート、引張は鉄筋が担う役割分担。熱膨張・付着・不動態被膜の3条件で成立する。
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川下政明(かわしもまさあき)です。
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